新選組の本を読む ~誠の栞~

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 水木しげる『劇画 近藤勇 星をつかみそこねる男』 

長編マンガ。近藤勇の一代記。

『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』などの怪奇マンガで大人気を博した水木しげるの作品であるが、本作はオカルトものというわけではない。
おなじみの水木タッチで描かれた近藤勇と、新選組の面々が、大活躍(ドタバタ劇?)を繰り広げる。
ストーリーは、子母澤寛「新選組三部作」を基本に、作者のオリジナリティが加わったもの。

キャラクターはデフォルメされていながら、背景はリアルで、幕末の雰囲気が伝わってくるよう。
当時の錦絵を模写したものも、精緻で見応えあり。

近藤以下の主要な人物は、みんな単純な人柄で、深く考えず行動する。
本人たちは大真面目にもかかわらず、傍目にはギャグにしか見えない。
ユーモラスな展開の中に、そこはかとなくペーソスが漂う。

要するに、絵柄にもストーリーにも、作者の持ち味がいかんなく発揮された作品。

水木しげるは長年調布市に在住しており、近所に近藤勇の墓が存在したことから関心を寄せて、本作を描いた。
近藤は出世し歴史に名を残したものの、あまり幸福ではなかった、むしろ一農民として天寿を全うしたほうがよかったのでは――と作者は感じたそうだ。

本作の近藤勇の生涯は、どこか作者自身の波乱万丈の人生に重なって見える。

講談社の単行本(1986/2016)、世界文化社の単行本(2004)、ちくま文庫版(1989)などが出版されている。

劇画 近藤勇
星をつかみそこねる男
(ちくま文庫)
>>詳細を見る



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