新選組の本を読む ~誠の栞~

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 司馬遼太郎『歴史と小説』 

エッセイ集。幕末・明治を描いた司馬作品を中心に、その原点となった考察の数々を集成したもの。
内容は、以下のとおり。

新選組
土方歳三の家
幕末のこと
竜馬の死
維新の人間像―萩原延寿氏との対談
  『燃えよ剣』と志士の美意識/幕末の時代と人間/明治維新の性格/日本人の特質/
  明治維新とフランス革命/幕末の日本人/政治と精神の分裂/徳川将軍と大名/西郷隆盛/
  鳥羽・伏見の戦い/坂本竜馬と陸奥宗光/坂本竜馬の役割/精神の自立と思想の内容/
  幕末のナショナリズムとインターナショナリズム
清沢満之のこと
ある情熱
市民の独語
  あたらしい通念/軽い国家/軽薄へのエネルギー/秩序について/僻地にいると/だけの人間
日本史のなかで暮らして思うこと
  めでたき百年目/明治百年/明治の若者たち/この気違い勉強/江戸幕府の体質/米のこと/
  京の味/
先祖ばなし
  穴居人/長髄彦/播州の国/大和竹ノ内/出雲の不思議/ある明治の庶民/酒郷側面誌
旅のなかの歴史
  近江の古社/京の翠紅館/三草越え/上州徳川郷/土佐の高知で/葛飾の野/五稜郭百年/
  草創のころの海軍/海流が作った町/出石の兄弟/肥前五島/新選組の故郷
軍神・西住戦車長
歴史小説と私
  大衆と花とお稲荷さん/わが小説―梟の城/私の小説作法/
  歴史小説を書くこと―なぜ私は歴史小説を書くか
日本語について
むだばなし


このうち、新選組に関わるものは以下のとおり。

「新選組」
昭和37年、『中央公論』4月号に掲載された。初出タイトルは「新選組新論」。
発足から終焉までを概説しつつ、新選組という組織の本質を明らかにする。
「現実の武士以上に武士たろうとした」リーダーのもと、武士になりたいと集まった者の集団、という捉え方が、同年に連載開始された『新選組血風録』『燃えよ剣』にも鮮明に反映されている。

「土方歳三の家」
土方歳三生家を訪問した体験談。日野市制が始まる昭和38年より前の、東京都南多摩郡日野町の頃である。
『手掘り日本史』所収「トシさんが歩いている」と共通する部分もあるが、こちらは生家に辿り着くまでの過程に、より重点を置いている。
地元の人々とのやりとりが楽しい。

「維新の人間像―萩原延寿氏との対談」
『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』の著者である歴史家と、語りあった内容。
土方歳三を主人公として『燃えよ剣』を書いた理由に言及している。「美を求める生き方が端的に表れたモデル」として、土方歳三が至当だったという。

「旅のなかの歴史」
あちこちの史跡を訪れた体験に絡めつつ、その場所にまつわる歴史的事件や人物について語ったもの。

「葛飾の野」
近藤勇の流山投降と刑死について述べる。

「五稜郭百年」
厳寒に対する和洋の文化の差と、箱館戦争、五稜郭について。

「新選組の故郷」
新選組という機能的組織と土方歳三の組織力の起源について。「トシさんが歩いている」と共通する部分あり。
特に、五稜郭と榎本武揚に対する評価は手厳しく、思わず考え込まされてしまう。

このほか「竜馬の死」「日本史のなかで暮らして思うこと」にも、新選組について言及した箇所がある。

司馬作品の原点に触れられると同時に、司馬作品が後年の新選組もの(文学やマンガなど)に及ぼした影響までも窺い知ることができる一冊である。

本書は、河出書房新社より単行本(1969)が出版された。のち改訂版(1982)が出た様子。
また、集英社文庫(1979)もあり、のち改訂改版(2006)が出た。カバーデザインが新しく、活字が大きく、目次が詳しくなったが、内容に大きな差違はなさそう。

歴史と小説
(集英社文庫)
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