新選組の本を読む ~誠の栞~

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 池波正太郎『近藤勇白書』 

長編小説。新選組局長・近藤勇の波乱に満ちた生涯を描く。

小さな町道場の主として、また一人の夫として父として、平凡ながらも幸福な日々を送っていた近藤勇。
しかし、天下のために働く決意を固め京都へ上り、新選組局長として活躍する。
職務に追われ、闘争に明け暮れ、また遊里の女となじみもするが、江戸に残した妻子をしみじみ思うことも忘れない。
やがて、時勢は倒幕に傾き、勤王に尽くしてきた自分が朝敵とされて、深い無念を味わう。
江戸へ戻り、甲州勝沼戦争に敗れた後、愛妻つねに最後の別れを告げて運命の地・流山へ向かうが、すでに戦意は奮い立たなかった。


近藤勇とつねの夫婦愛が、ユーモアを交え温かく描かれている。
地位と名声を得て得意のあまり永倉新八ら同志の反感をかったり、側妾おわかの妹お孝にも手をつけて二人の嫉妬に手を焼いたりなど、時には失敗もするが、単なる歴史上の英雄に止まらない、人間味豊かな人物像が良い。
土方歳三との会話の、漫才めいたくだりも楽しい。

飯田金十郎という年輩の浪人(架空の人物)が、全編を通して近藤のライバル役を演じ、物語の幅を広げている。

作中のエピソードは、作者の長編『幕末新選組』 、短編「剣友 渡辺昇」と共通するものが多い。

初出は1967~1969年の雑誌連載。
1969年に講談社から単行本が刊行されて以来、たびたび書籍化されている。
現在、角川文庫(初版1972/改版2006)と、講談社文庫(初版1979/新装版上下2巻2003/レジェンド歴史時代小説上下2巻2016)が入手しやすいと思われる。

レジェンド歴史時代小説
近藤勇白書(上)
(講談社文庫)
>>詳細を見る



レジェンド歴史時代小説
近藤勇白書(下)
(講談社文庫)
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