新選組の本を読む ~誠の栞~

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 北方謙三『草莽枯れ行く』 

長編小説。激動の幕末維新期、夢に賭け信念に生きる男達の姿を、相楽総三と清水次郎長を中心として描く。

関東草莽の志士・相楽総三と、名高い侠客・清水次郎長。
年齢も性格も立場も違う二人だが、不思議と気が合い、親交を結ぶ。
総三は、激動の渦中に飛び込み、新時代を切り拓くために苦闘を続ける。
その姿を、次郎長は稼業のかたわら見守り、時に励ます。

彼らをめぐる群像として、新門辰五郎、山岡鉄舟、黒駒勝蔵、勝海舟、坂本龍馬、伊牟田尚平、益満休之助、岩倉具視、西郷隆盛も登場。
それぞれ道は違っても、同じように自分の生き方を貫きながら、ある者は斃れ、ある者は生き延びて、奇しき運命の綾を織りなす。

物語の主軸は、孝明天皇崩御や坂本龍馬暗殺にまつわる陰謀が、やがて総三の身辺にもおよび、ついに総三率いる赤報隊が「偽官軍」として処分される、という過程にある。
終盤、益満休之助と次郎長がとった大胆な行動、それがもたらした意外な結末には、驚かされた。

新選組も数回登場し、特に土方歳三が印象的に描かれている。
本筋には直接関わらないが、信念を貫徹して時代に殉じる男の幕府方代表、といった役回り。

北方謙三は、本作を著わした約5年後、土方歳三を主人公とする『黒龍の柩』を執筆した。

初出は『小説すばる』1995年10月号~96年12月号の連載。
集英社から単行本上・下巻(1999)、文庫本(2002)が出ている。

草莽枯れ行く
(集英社文庫)




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