新選組の本を読む ~誠の栞~

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 井筒月翁『維新侠艶録』 

史談集。幕末維新期に活躍した志士らの、知られざる素顔を描く逸話集。
昭和3年(1928)、萬里閣書房から出版された。
61編をまとめた「維新侠艶録」と、短編「品川楼の嘉志久」「清河八郎の妾」の3作を収録している。

「維新侠艶録」
「勤王芸者」として名高い祇園の君尾、大阪富田屋のお雄の談話を主として、花街の女性達に明治の中頃取材した聞き書き。
幕末志士らの若き日の姿が、赤裸々に語られている。
高杉晋作、久坂玄瑞、桂小五郎、品川弥二郎、西郷隆盛、田中光顕など薩長土の人物の話が大半だが、池田屋事件など新選組に関わる話も出てくる。
近藤勇が、君尾の気性を気に入って口説いた、という。男女の仲にはならなかったものの、お互いに好意を持ったらしい。君尾が屯所に連行された時、近藤は何も聞かず駕籠で送り返したとか。
また、近藤の密談を探ろうとして危機に陥った桂小五郎を、君尾が救ったという逸話もある。

「品川楼の嘉志久」
新選組の江戸引き上げ直後、永倉新八らが品川楼に遊んだ時の逸話。
酒乱で剣術に詳しいという変わり種の娼妓と、隊士達の出会いを描く。
永倉の談話を元に書かれており、子母澤寛『新選組物語』収録の「かしく女郎」とほぼ同じ内容だが、双方を読み比べるのも面白い。
また、永倉の京都時代の妻・小常、小常が生んだ娘・磯子についても、記述がある。

「清河八郎の妾」
清河八郎と内妻お蓮の物語。
お蓮を亡くした後、清河が母に宛てて書き送った手紙の引用など、愛情の深さが窺い知れる。

中公文庫版(1988/2007)が出版されている。

維新侠艶録
(中公文庫)
>>詳細を見る



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