新選組の本を読む ~誠の栞~

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 永井龍男「沖田総司」 

中編小説。天才剣士ながら童心を失わない好青年・沖田総司の生涯を、全11章にわたって描く。

年代的には元治元年、蛤御門の変までに重点が置かれ、その後についての記述は分量が少ない。
ストーリーは史実を重視し、作者のオリジナリティはやや控えめながら、沖田総司もそのほか試衛館の面々も、生き生きと描写されている。

沖田が心に想う相手として、貧しい御家人の娘おりきが(伝聞で)登場する。
ただ、おりきが行商する茶菓子を買ってやり、ついでに話をするほどの間柄にすぎない。
最後の場面、病床に伏す沖田と、彰義隊に投じようとする原田左之助との別離が、切なく胸に迫る。

初出は『週刊朝日』1968年11月29日号~1969年2月7日号の連載。
下記の書籍に収録されている。

『日本剣客伝』(全2巻) 朝日新聞社 1968-69
『永井龍男全集 7(長篇小説 3)』 講談社 1981
『日本剣客伝 5』 朝日文庫 1982 (※海音寺潮五郎「千葉周作」併収)
『歴史小説名作館 11』 講談社 1992
『新選組読本』 光文社文庫 2003
『日本剣客伝 幕末篇』 朝日文庫 2012

ちなみに「日本剣客伝」シリーズは、10人の剣豪を10人の作家が競作する連載企画だった。
朝日文庫版(1982)第1巻には、作家たちの座談会「日本の剣客十傑を選ぶ」(1967年2月24日号掲載)が収録されており、新選組からは沖田総司のほか近藤勇、土方歳三、芹沢鴨の名も挙がっている。

日本剣客伝 5
(朝日文庫)




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