新選組の本を読む ~誠の栞~

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 赤間倭子『新選組 女ひとり旅』 

歴史紀行。全国の新選組ゆかりの地を訪ね、史跡、土地柄、関係者子孫、催事など関連する事柄を、著者の思いも交えつつ記録している。

著者は作家、俳人として活躍したが、新選組、ことに斎藤一の研究でよく知られ、複数の著作を遺している。
本書は、新選組を主題とする紀行であり、肩の凝らないエッセイのような形を取っているが、盛り込まれている情報には研究的な側面が大きい。

章立ては以下の全7章。

新選組の故郷・多摩編
新選組の浮沈・江戸編
新選組の隆盛・京都編
新選組の凋落・甲州・流山編
新選組の風霜・会津編
新選組の流茫・仙台編
新選組の終焉・北海道編


それぞれの章は、さらに複数の項目に分かれている。

新選組関連史跡としてよく知られた場所はもちろん、あまり知られていない(もしくは知られていなかった)場所にも足を伸ばし、丹念に取材している。
幼少期から近藤勇生家などを訪れていたという著者の、新選組への情熱が窺い知れる。

隊士など関係者の子孫、郷土史研究家、史跡地の在住者といった人々から聞き取った様々な話は、史料検証型の研究書には見られない貴重な詳言である。
子孫宅の先代当主など、すでに物故された人物の思い出話も、生前の人柄が伝わってくるようで興味深い。
写真も、モノクロながら多数掲載されている。

本書の初版発行から21年を経た現在では、当然ながら人物も風景も著者取材の頃とは変わっている。
それでも、初心者には大いに参考になるだろうし、上級者には懐かしく読めるだろう。
当方も個人的に本書から多くを学び、いろいろな面で活用させてもらった。

鷹書房より、1990年に出版されている。

著者の類書には『史跡探訪 新選組残照』(東洋書院/1994)もある。
同じく新選組の紀行であり、本書を発展させたものと言えよう。
重複する記述が多いが、一方だけに載っている情報もあるので、できれば併読することをオススメしたい。

新選組 女ひとり旅



新選組残照



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