新選組の本を読む ~誠の栞~

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 子母澤寛『新選組物語』 

史談&短編小説。子母澤寛「新選組三部作」の第3作。
内容は下記の全4章。

新選組物語
   隊士絶命記
   人斬り鍬次郎
   死損ねの左之助
   隊中美男五人衆
   近藤勇の屍を掘る
   壬生心中
   かしく女郎
   月下の死骸
新選組
   一  流るる水
   二  黄昏れ近く
   三  笑窪
   四  吟声
   五  墨染
   六  敗れて
   七  大阪城
   八  紀州沖
   九  江戸の春
   一〇 春雨
   一一 黒い猫
   一二 青年たち
   一三 ただ一人
   一四 またも敗れて
   最後 最後の陣容
新選組聞書 ―稗田利八翁思出話―
流山の朝

「新選組物語」は、昭和6年(1931)の雑誌連載「野話聞書」をまとめたもの。
同年、春陽堂から『新選組物語』と題して出版された際は、「月下の死骸」を欠いていた。
また、「勇の屍を掘る」は、『新選組遺聞』にも似た1編が掲載されているが、元の談話を採った時期や内容がやや異なる。

「新選組」は、昭和10年(1935)、改造社刊『維新歴史小説全集』第7巻に書き下ろされた読み物の部分。

「新選組聞書 ―稗田利八翁思出話―」は、昭和4年(1929)、元新選組隊士の稗田利八(池田七三郎)にインタビューした内容。

「流山の朝」は、近藤勇の投降を描いた短編小説。
近藤が自ら囮となって同志らを逃がし、新選組隊長からひとりの男へと戻っていく心境を主体としている。

全体として、三部作の前2作に収録された挿話の書き直し、再編、もしくはさらに発展させたものが多い。
また、書名のとおり、創作性が高くなってもいる。

ただ、稗田利八の談話は、本書にのみ掲載されたもの。
話し手の記憶違いや著者の潤色が加わっていたとしても、かなり貴重な証言であることに間違いない。
ところどころに挿入された杉村義衛(永倉新八)や八木為三郎など関係者の談話も、大変興味深い。

できれば、前2作と併せて読んでおきたい古典的名作である。

三部作の『新選組始末記』『新選組遺聞』とともに、中公文庫版(初版1977/改版1997)がある。

新選組物語
(中公文庫)
>>詳細を見る



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