新選組の本を読む ~誠の栞~

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 司馬遼太郎『手掘り日本史』 

エッセイ集。巻頭の説明に「江藤文夫(評論家)が司馬遼太郎に、歴史について、のべ18時間にわたって聴いた“聞き書き”に、司馬が手を加えて成ったもの」 と表記されている。

聞き手が話題を振り、司馬がそれに答えるインタビュー形式で展開する。
話題は、父祖について、自身が生まれ育った上方の精神的風土について、史料から実在の人間を読み取る感覚について、創作の発想や執筆の作法について、日本人の日本史に対する姿勢について、小説家としての活動歴について等々、多岐にわたる。

新選組に関連する箇所は、「歴史の中の日常」と銘打った章の「トシさんが歩いている」と題した項目。
「新選組という組織をうごかす土方歳三の才能はどこから生まれたかについて」を語る。
歳三の出身地(東京都日野市石田)を訪ね、生家で当時の当主から話を聞いた体験に始まり、特異な組織感覚が培われた要因を語る、非常に興味深い1編。
取材当時の、まだ開発がさほど進んでいない石田の様子が伝わってくるようである。
『燃えよ剣』『新選組血風録』の執筆裏話と考えられる。
全体に占める割合は小さい項目だが、この1編のため本書を手に取った人も少なくないらしい。

このほか、平安から明治期までの幅広い時代を、様々な切り口で論じる。
幕末の人物では、勝海舟、坂本龍馬、福沢諭吉、西郷隆盛、大久保利通などにも言及。
『坂の上の雲』に通じる記述もあるので、ドラマ鑑賞の参考としても役立つかも。
司馬遼太郎の発想や史観が作品にどのように反映されているか、親しみやすい語り口調で書かれ、とても楽しく読みやすい。

毎日新聞社刊の単行本(1972)以降、何度か出版されている様子。
昨今は、文春文庫(1990/新版2014)や集英社文庫(初版1980/改訂改版2007)が入手しやすいと思われる。

手掘り日本史
(文春文庫)
>>詳細を見る



手掘り日本史
(集英社文庫)
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